本当に「会社」であった怖い話(1)
私の会社はつくば市にあります。テナント料が安い事と、持ち主が東京の弁護士さんということでリベラルな方であること、仲介してくださっている不動産屋さんがとても良い会社であることで、決めました。学園地区(懐かしい呼び方)でもかなり古い2階建ての貸しビルです。1階には東京電力のキュービックル(変電施設)が入っており、現在1階に2社、2階に弊社を含め3社が入っています。
さて、このビル入居したての頃はまだ2部屋だけ借りていたのですが、電源スイッチやタップがとても古いタイプで、ラジオ関係の機材を組むのに適していなかったため、大幅な電気工事をさせていただきました。また、部屋の仕切りが全く無い状態でしたので、3部屋の間に壁を立てて間仕切りをしたり、間仕切りによってエアコンの無い部屋が出来てしまうため、エアコンを増設したり、雨漏りが止まらないため大家さんに天井を直してもらったり、トイレの水が止まらずにあふれ出してしまったり、野良猫が住み着いていて、あたり一面猫の糞尿のにおいで満たされていたりと、安いだけのことはありました。
さて、3室のうち2室は南側に窓のある採光が良い明るい部屋なのに、東側の部屋は入居したてのころから、なんとなくドンヨリした雰囲気が漂っていました。ある晩、申請書関係の書類の作成が終わらず、深夜まで独りで仕事をしていると「カチッ」「パキン」という音がします。周りを見渡しても何もありませんが、古いビルなのでネズミくらいいてもおかしくないし、野良猫も巣食っていたのであまり気にも留めませんでした。毎日資料づくりでぐったり疲れていた私はある日、ヤフオクで買ったばかりの白い大きなリクライニングチェアーでうたたねしてしまいました。
ところが、その日から悪寒と吐き気がとまらず、数週間前から痛いなと思っていた筋肉痛が酷くなり、ようやく念願であった総務省への本申請に出向いた日には、階段を上がれず、翌日にはコンタクトケースをあけることも出来ない程、握力が低下してしまいました。仕方が無く某大病院にいって検査を受けたところ「ウイルス性筋肉炎」と判明。「本来はこの病気にかかると起き上がれず、救急車で運ばれて、そのまま半年くらい入院なんだけど、なんであなたは歩けているんですか?」と医者から質問される有様でした。結局どこでひいたのかは判らぬまま抗生物質で直りました。
それから1ヶ月ほどして新しく入った社員がおそるおそる言いました。「社長の座っている席の位置ですが、変えたほうが良いと思うんですが・・。今のままでは病気になります。というか、北東の方向に神棚とか置いて"抑えた"ほうが良いです。」と言いました。彼はスピリチュアルな感覚があるということで、常に数珠の腕輪をしているのですが、おふざけでなく大真面目な顔で言うんです。すると、一緒にいたボランティアスタッフも「そうです、実は変な人と思われるとあれなので黙っていましたが私も霊感がありまして以前から気になっていました。この会社は"何か"がいるので、とにかくお奉りしたほうが良いと思うんです。」
二人が言うには、「何か」が会社の南西の方向から私が座っているあたり(今も座っていますが)を通って北東の壁に消えて行くということで「通り道」になっているといいます。それが私の健康や生活に非常に良くないと言うのです。そこで、ホームセンターに行って小さな神棚を買って、榊と塩と酒を奉りました。すると、以前あったようなじめじめというかドンヨリした雰囲気がなくなり、明るく爽やかな感じになりました。気のせいといえばそうかもしれませんが、とりあえず「事務室」で何かが起きたりすることは無くなったのです。
でも、その後もイロイロ・・・・