おたまじゃくし
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砂沼には牛蛙がたくさん住んでいて、夜になると「ンー ンー ンー」と法螺貝のような音がそこいらじゅうで響いていた。
当然あのサイズの蛙だから、おたまじゃくしもあのサイズで、子供の手のひらの長さ位は優にあった。 それが季節になると砂沼の土手っぺりにズラーっと大量に並んでいるのだからおぞましい。 黒い身体を裏返すとグレーの腹の中に渦巻状の内臓が透けて見えていて、いっそうおぞましさに拍車をかけていた。 頭(胴体?)の部分だけでも3〜5センチはあったと思う。
←こいつです。
今はあのおぞましい姿を見ることは少ないけれど、愛宕神社の裏手に残されている湿地の葦林からは、まだ「ンー ンー ンー」が聞こえてくる。
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