曹洞宗潜龍山多宝院

 知る人ぞ知る下妻の名刹。多賀谷氏の菩提寺として戦国時代は強大な力を持っていた。信心深い当主は市内に寺院をたくさん建てたらしいが菩提寺の多宝院にはかなり手厚く寄進をしている。当時は多賀谷城と多宝院はほぼ同規模の敷地を有していたらしいが、幕末の天狗騒動で伽藍や回廊等全て焼失してしまい、当時の面影は無い。

 現在の国道294号線旧道は多宝院の敷地の真ん中を通っている。禅宗(曹洞宗)の七堂伽藍が揃った素晴らしい寺だったが「天狗騒動」の騒乱時放火で焼失。その後再建されたが、元の敷地の真ん中に国道旧294号線が敷設されたり、北側に関東鉄道が通ったりして現在は面影無し。最近本堂を新築した。

 反徳川方についたため秋田に追われた多賀谷氏は佐竹氏から分け与えられた領地内に多宝院を再建(下妻の多宝院と同じ伽藍配置だという)した。この秋田多宝院は現在でも本庄市にあり文化財に指定されている。落ち延びたとはいえ多賀谷氏の力がいかに凄かったか知ることが出来る。こちらの伽藍の一部や仏像等は度重なる戦火を逃れて現存している。下妻にあったのとほぼ同じ物を再建したらしいというから、これと同じ物が下妻に残っていたら・・・とため息が出てしまう。



LINK:秋田能代の多宝院
LINK:天狗党下妻夜襲





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